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入院体験記 5

1型と診断されましたが、すぐに何かが変わるというわけではありませんでした。インシュリンの量は増加していきましたが、3回打つのも4回打つのも変わりません。しかしながら、後60年ほどインシュリンを打ち続けるのだと思うと、合併症が怖くなってきました。後何年自分自身の両足で立てるのだろう。後何年視力を維持できるのだろう。後何年腎臓が機能するのだろう。先のことばかり気にしていたら鬼に笑われそうですが、糖尿病患者は合併症の恐怖と何十年も戦い続けなければいけない訳です。
9月7日
血糖値→朝食前104、昼食前114、夕食前188、就寝前278
インシュリン→8‐8‐8‐6
前日の診察で交渉した結果お粥が本日の朝で終わる事になったので最後のお粥を感慨深く食べていたのだが、昼がパンの日だったので普通のご飯は夜までお預けになってしまった。わずか4日ぶりだが美味しく感じる。
検査もなく血糖値も調子が良い素晴らしい日かと思いきや、夕食前と就寝前で合わせて7回も血糖測定に失敗してしまった。血が出にくい・血を絞る時に指が触れる・皮膚が割けるなど、ただの打ち損じになってしまい急に血糖測定が怖くなる。しかも血糖値が高めだから尚更腹が立つ。
この日もゴロゴロしながら糖尿病について調べていたら「糖尿病性網膜症が進行すると飛蚊症が現れ失明が近い」という文章を目にした。そして来院した時の問診で飛蚊症があると言ったら看護師さんに「もう(合併症の)症状2つ出ているけど頑張りましょうね」と言われたことを思い出す。私はそもそも小学校の頃から飛蚊症があり、糖尿病の自覚症状が出てからいよいよ頻発していた為、本気で自分は失明するのかと絶望した。インシュリンの副作用と言われていた視野の歪みももしかしたら網膜症の症状なのでは?と疑心暗鬼に陥っていた。お見舞いに来た友人に持ってきてもらった春琴抄(谷崎潤一郎)を数日前に読んでいたため三味線に興味が出てきたり、小林ハルを知り瞽女唄に興味が出てきたりした。他人からすれば馬鹿らしいだろうが、あの時は本気で失明した時のことを考えていた。

9月8日
血糖値→朝食前122、昼食前300、夕食前180、就寝前279
インシュリン→8‐8‐8‐6
朝の血糖はまずまずであったが、この日は筋電図と眼科の検査があり憂鬱な気分であった。
先に筋電図の検査があったが、痛くはないもののビリビリする。電気を流し筋肉の反応を見るのだが、明らかに右脚の反応が悪かった。三大合併症で最初に発症するのが神経症と言われているため、もしや右脚を切断する日も近いのではないかと本気で思い始める。これも他人から見たら笑えるだろうが、当人からすれば死活問題である。
筋電図で暗澹たる気分になった後、いよいよ眼科に呼ばれた。念の為に視野の歪みについて訊いたらやはりインシュリンの副作用と言われホッとする。よく分からない検査(眼圧測定?痛くはないがまぶたが閉じないように押さえられるのが不快。そしてかなり眩しい)をし、目薬(瞳孔を開く薬?)を差され、目薬が聞いてくるまで病室で待つように言われる。目薬が染みると言われたが、寧ろ染みない目薬があるのかと問いたかった。ちなみにこの薬は4時間程持続するため外来の人は車で来たらマズいらしい。実際視野がやたら明るく感じられるので運転は危険である。30分待ち、いよいよ眼底の検査なのだが、これも眩しいのとまぶたを押さえる不快感だけで痛みはない。研修医の先生がやると不慣れなためか不快だが、普通の眼科の先生がやればすぐ終わるしまぶたも上手に押さえてくれる不快感もない。結局眼底に新生血管は認められず、飛蚊症も恐らく糖尿と無関係なものだろうと言われた。他人からすれば「ほら、大げさなんだからw」と思うかもしれないが、当人からすればこの時ほど嬉しかった事は人生で初めてである。本当に失明すると思っていた。
その後昼食前の血糖値が久々の大台300に到達した為、深夜の血糖測定が再開される。夕方、以前に話しがあったCGMSという血糖の動きを調べる装置を取り付ける事になった。血糖測定をしなくて良くなると誤解したのだが、この装置はあくまで血糖値の上下(=動き)を感知するだけで血糖値そのもの(数値)を測定するものではないらしい。寧ろ、動きと数値を対応させるために血糖測定をして実数値を入力する必要がある。例えば、就寝前・深夜・朝食前の血糖値を入力すれば、血糖値の上下は測定できるので深夜に大体どれくらいの血糖値なのかが把握できる。肝心の取り付け方なのだが、血糖の上下を感知するためのチューブを皮下に入れなければならない為、腹部に皮下注射する。針の太さは採血くらい、腹部だから痛みは採血以下と説明されたが、絶対に嘘である。個人的には採血よりも断然痛い。遥かに痛い。股上採血より痛いかもしれない。チューブが太いため結構強く押し込んでくるのだ。針を入れる痛み・押す痛み・グリグリ押しこむ痛みの三段階である。私は入院してから順調に体重が落ちこの頃は45kgしかなかった。皮下脂肪なんて殆ど無い。2型糖尿病患者の85%は肥満を抱えているらしいが、その人達と同じだと考えられたら困る。しかも、1回目に注射したのが研修医の先生で失敗したのである。この時ばかりは勘弁してくれよ…と思った。ちなみに、割と太めのチューブを皮下に入れておくので注射直後は違和感と痛みがある。私の場合は一日経っても時々痛みが走った。本当は3日に一回交換らしいのだが、頼み込んで出来るだけ交換しない方針にしてもらった。その代わり風呂に入れなくなったのだがまぁ仕方ない。この痛みを何度も味わうのだけは避けたい。まぁ初回で2回も打たれたんだけど。
夜の血糖測定は値が悪いし、チューブの違和感と痛みはひかないし、深夜測定もあるし、結構嫌な夜であった。眼科で異常がなかったので良しとする。

どうしても病気になった人にしか分からない事がたくさんあります。入院中は信頼できる人にしか事実を教えていなかったので、友人達は私の(今振り返ると)オーバーな悩みを嘲笑ったりしませんでした。しかし、退院し日常生活に戻る過程で事実を知る人が増えると心ないことを言ってくる人も増えます。相手の人格を疑う程配慮にかけた言葉をかけられたこともありました。甘いものの食べ過ぎでなったんでしょ?wの比ではありません。人の振り見て我が振り直せだと前向きに考えます。皆さんも周りに何かで苦しんでいる人がいたら口を開く前に再考してみてください。
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プロフィール

hi-lite

Author:hi-lite
北海道出身
北大理学部を中退、理科一類を経て東大工学部へ進学
Twitter:@hilite69
趣味は書道、ドライブ
2014年9月より1型糖尿病(IDDM)患者

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